家にいる時間が増え、テレビをみる時間も増えました。
ニュース番組やバラエティなどいろいろな番組がありますが、食レポ番組は見入ってしまいますよね。美味しそうに食べる芸能人を見ていると、なかなかチャンネルを変えられません。
「食欲」というのは人間の3大欲求の一つなので、人気の番組になるのだとか。お笑い系の番組でも、視聴率が悪くなってくると料理紹介の時間を長くするのだとか。
クイズ番組の景品も名物料理を出したり、「アイドル〇〇のおすすめ料理!」とか「吉祥寺おすすめランキング」などの企画があったりしますね。
お笑い番組を見たくてその番組を見ているので、結局はすぐ打ち切りになっちゃうのですが、息継ぎのようにグルメを用いるのだとか。
そんなグルメ番組を見ていてすごいなあと思うのが、グルメリポーターの方の表現力。「味の宝石箱や〜」は大袈裟ですが、魚料理を食べて「香りが豊かで身がホクホク」、ラーメンを食べて「スープが濃厚で体に染み渡ります。」など、聞いているだけでよだれが出てきそうな表現をたくさんしていますよね。
あれって本当にかっこいい!
で、これを給食でやってみてはどうだろうというのが今日のテーマです。
給食って毎日食べますよね。当たり前のように。当たり前に食べているからこそ、その料理の美味しさを表現できるようになれば、何か他のことを誰かに伝えるときにも役立つのではないかと考えました。給食に感謝の気持ちを込める意味でも使えると思います。
自分が感じたことを言葉にして伝える。この技術は本当に大事なことです。
給食週間などの期間があれば、その期間に実施してみるのはどうでしょうか?
食レポ授業のメリット
さて、この食レポ授業をやってみることのメリットはこちら
この4つ。
人は意識することで力をつけていきます。筋肉も意識しながら筋トレするのと意識しないのとでは筋力のつき方も変わってきますし、漢字学習もただ書くだけの時よりもどこがポイントか意識して書いたときの方が定着率は高くなります。
同じように、味覚も味を意識しながら食べることで鋭くなっていくのです。食レポをすると味を意識しますから、必然的に味覚も鋭くなっていきます。
「豊潤な香り」「爽やかな口どけ」「ふんわりとした食感」子ども同士の会話ではなかなか使わない言葉も食レポの中ではたくさん使用されています。これを使うことで語彙力アップが期待できるでしょう。
食レポをすると美味しさを表現するために、表情を変える必要があります。真顔のまま「美味しい」といっても、説得力がありません。説得力を上げるには表情がとても大きな役割を果たします。おいしい時に目を見開いたり、眉毛を下げてみたり。いろいろな形をとることで、表情が豊かになり、人間関係もよくなっていくことが期待できます。(大げさ?でもコミュニケーションに表情は大事ですよね!)
家族の作った料理、当たり前のように食べてしまいますよね。でも作ってくれた人に向けてどこがどうおいしいと伝えるのかは大事です。「おいしいね。」よりも、「この魚、ふっくらしていておいしいね。」の方が、一生懸命焼いたことが伝わりますし、「香りが良いね。」と伝えれば、家族みんなが香りを意識することになります。
家族との楽しい食事の時間です。テレビを見ながらも良いですが、作ってくれた人に感謝をしながら、目の前の料理の美味しさを語り合う食事会にしても良いと思います。何より、家族と同じ話題を話すのは楽しいですよね。どこが好きかとか、どうやって作ったのかとか、話題はつきないですよね。
食レポ授業のデメリット
メリットもあれば、デメリットもあります。
こんなところでしょうか。
普段もぐもぐ食べている人が、急に「このパンの柔らかさ、絶妙な焼き加減です。」なんて言い出したら笑ってしまいます。本当に思っているのかよって疑われちゃいますよね。でも、給食だったらみんなで食べるので大丈夫。気にすることはありませんね。
食レポはやりすぎると嫌われます。食にうるさい人って嫌ですよね。美味しんぼの山岡士郎のようにうるさいと作る側も緊張しますし、文句を言われたらどうしようかと考えてしまいます。私も友人の前でやってみたのですが、「何それ、やだ。」と注意されてしまいました。確かにいつも「おいしいね。」「うまい!」といっていた人が「塩加減が抜群!」なんて言い出したらちょっと嫌ですね。楽しみながらやるのは良いと思いますが。
給食の時間は限られています。一口一口喋りながら食べていては給食時間中には食べきれません。残り5分という時間に「お米一粒一粒が立っていておいしいです。」なんて子どもたちがいっていたら、私も「早く食べなさい!」っていってしまうと思います。食べるのが遅い人はやらない方が良いかもしれませんね。
とまあ、デメリット!というほどのものではないですね。
食レポ分析
では、早速具体的な食レポはどのようにすれば良いのでしょうか。
数々の番組やグルメ本を見ていて大体パターンは決まっています。
テレビ番組だとこんな流れ
ラーメン屋だとしましょう。
1 あいさつ・何をしているのか伝える
2 景色を伝える
3 お店発見 店の外観について表現
4 店主にあいさつ おすすめを聞き注文
5 調理中の見た目、匂いを話す
6 出てきた料理の見た目、香りを表現
7 スープを一口すくって、一言・あいさつ
8 麺を食べて味、香りを伝える
9 スープ・具材について表現
10 飲み干して一言
の10の流れ。
学校で食レポするなら
これを学校でやるとすれば、いろいろ制限がありますね。配膳中は喋ってはいけない決まりがどこの学校でもあると思うので、せきについてから。給食パートの方に話をするというのは難しいですしね。
①盛り付けされたトレーを見てざっくり一言
②お皿に乗っている料理一つ一つについて一言
③食べて一言
④食べ終えて一言
の4つの流れ。
実際の献立を例にしてやってみましょう。
献立は、「ご飯 鮭の塩焼き 小松菜の味噌汁 肉じゃが みかん 牛乳」にします。
まずは見た目から。
「わあ、今日は魚料理がメインですね。デザートもあって楽しみです。」
「鮭ですか。今は旬なのでとても美味しそうです。焦げ目もついていて美味しそうです。こちらは肉じゃが。じゃがいもの色がふわっと濃い黄色になっています。こちらは小松菜の味噌汁。小松菜の緑が給食に彩りを与えてくれています。デザートのミカンは食後に最適ですね。もちろんいつもの牛乳も口をまろやかにしてくれそうです。では、いただきます。」
では早速この鮭からいただいてみましょう。うわ、皮がパリッとしています。身もホロリと箸ですくえるので、食べやすい。んん!塩味がほど良く、魚の旨味が中にギュッと染み込んでいます。これはご飯が進みます!
今日もとてもおいしい給食でした。この時間が毎日の幸せの時間です。午前中の疲れが吹き飛びますね。ちょっと早いですが明日の献立を見てみましょう。明日の給食は・・・これは楽しみですね。
こんな感じでしょうか。
実際こんな子がいたら笑ってしまいますが、授業としてやってみたり、給食時間にお遊びとしてやってみたりする分には楽しいですよ!
大事な表現方法
さて、食レポで大事な表現方法があります。それは
①言い換える
②例える
③擬音
の三つです。
これが使えるようになると表現力が増します。
このおいしい和牛を食べたとしましょう。
言い換え
「おいしい!」→「味わい深いですね!」
おいしい!うまい!以外にも表現できないか考えてみましょう。絶妙 風味豊か コクがある 後味が良い 舌全体で味わえる クセになる 旨味がある頬が落ちる などいろいろありますが、クラスのみんなで出し合うのも良いですね。
例える
下の中で溶ける様子を「まるでわたあめのように溶けていきます。」
まるで〇〇。フルーツやお菓子など別な食材に例えると伝わりやすいですね。
擬音
「初めはトロリとした食感で後からふわりと消えていきます。」
トロリ、ギュッと、ふわっと、サッと、自分の好きな表現をしてください。
これらを合わせると
「うわ!これは味わい深い!初めはトロリとした食感なんですが、わたあめのようにふわりと消えていきました。とても柔らかくてたまりません。」
どうでしょうか。記事を書いていてお腹が空いてきました。
実際に授業でやるときにこのテンプレートを参考に使ってみてください!
食レポに挑戦word(ワードファイル)